そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

前橋を代表するそば店
のれんを守り続けて140年

  『結城屋』は、群馬県前橋市を代表するそば店ののれんで、最盛期には16店舗が営業していたが、現在は『結城屋本店』を含め5店舗が営業を続けている。この本店ののれんを守り続けているのが4代目・尾崎努さん、5代目・尾崎拓也さん親子だ。店は前橋駅から車で5分ほどの場所にあり、元々は養蚕を行っていたという大きな建物が目を引く。時代の変化とともに製粉業、そば店へと商売を替えてきた。そば店を始めたのは努さんの祖父、鈴木泰治さんの時だという。

『結城屋本店』の店舗内外観。養蚕業からスタートしたというだけに店内は広々としている。
 一番粉を使う白いそばが『結城屋本店』の特徴で、基本の「もりそば」「ざるそば」は、そばの味を味わうには一番。冷たいそばは「冷やしおろしそば」や「きつねせいろ」、温かいそばはかけそばにラーメンの具をのせた「満州そば」など種物も魅力的だ。中でもまかないから生まれた「かつそば」は、そばの上に大きなとんかつを1枚のせた、見た目にもインパクトがある一品で、冷たいそば、温かいそばどちらでも注文することができるが、冷たいそばの方は衣の食感が残る。群馬県ではソースカツ丼を提供する店舗が多いが、『結城屋本店』では鳥肉を使い、「若鶏のソースかつ丼」を提供する。
大きなとんかつが目を引く「かつそば」。つゆのおかげで意外とあっさりしている(写真は冷やし)。
ラーメンの具をのせた「満州そば」は『結城屋本店』のオリジナルメニュー。
時期を問わず人気がある「冷やしおろしたぬきそば」。
  「コロナを契機に減りましたが、夜はお酒を飲まれる方が結構来店されます」と、努さんが話すように、『結城屋本店』は、夜の飲酒需要にも応える一品料理も数多くそろえている。そば店の定番の酒肴である「厚焼き玉子」「かつ煮」をはじめ、「山かけマグロ」や「湯どうふ」など、酒が進む品が並ぶ。食事にも飲酒にも使える、『結城屋本店』。140 年を超える歴史を持つ老舗でありながら、堅苦しさはなく、お客様それぞれが、自分のペースで楽しむことができる。

結城屋本店

群馬県前橋市本町3-1- 15

027-224-5174