厳しい現状をアイディアと
技術・知識で乗り切る
「そば屋をやるつもりは全くなかったのですが、父に説得されて店に入り、そば打ちも独学で学んで今に至っています」と話す『田毎庵』の店主・田中泰章さんは、当地出身で東京の大学を卒業後、教育関係の出版会社に勤務していた。父・吉泰さん、母・友子さんが、田中さんの兄と店を営業していたが、兄が店を辞め、店に入ってほしいと、東京に日参し説得する吉泰さんに応じ、郷里に戻りそば店を継いだ。その後、2002(平成14)年に現在の店を新築、一部機械を使用していたそば打ちも完全に手打ちにし、調理全般を担当していた友子さんから受け継いだつゆも研究を重ねて徐々にバージョンアップした。