そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

閖上(ゆりあげ)の海の幸を
心ゆくまで味わえる店

 仙台市で6店舗の飲食店を営業する『有限会社まるしげ』は、1951(昭和26)年に創業者の佐藤茂夫さんが、名取市閖上で、魚の仲卸商として創業、その後現社長で2代目・佐藤智明さんが1991(平成3)年に飲食事業である『浜や』を始めた。その後、順調に事業が推移した中で、大きな影響を与えたのが2011(平成23)年の東日本大震災とその際に発生した津波だ。
 閖上地域は津波により甚大な被害を受け、佐藤さんが経営する店舗も流失した。そのような中、震災の年の8月に復興の第一号店としてオープンした店舗が『漁亭 浜や あすと長町店』で、その後11月には仙台駅の商業施設エスパル内に『漁亭 浜や エスパル仙台店』をオープンした。現在は宮城県内に6店舗の飲食店を運営している。

『漁亭 浜や あすと長町店』の店舗内外観。店内はカウンターと座敷席があり、座敷席は仕切れば個室風、仕切りを外すと人数の多いお客さまにも対応できるようにしている。
12 種類の新鮮な魚介を使う「海鮮ちらし」は、店の味を凝縮した一品だ。
 『有限会社まるしげ』が運営する店舗の一番のセールスポイントは魚の仲卸商としてスタートした時からの目利きで仕入れる新鮮な魚介類だ。通年の食材に加えて、春=赤貝・北寄貝、みやぎサーモン、夏=しらす・穴子、秋=はらこめし、冬=せり鍋・せりの天ぷらなど季節ごとの地元産食材を使用している。「海鮮丼」「ミニ丼セット」「しらす丼」などの丼物や「しらす春巻き」といった一品料理が好評を得ている、日本酒は専門の担当者がおり、宮城県を中心に東北地方の地酒を用意し、様々な種類が楽しめるようにきき酒セットも提供している。
入荷状況により新鮮な魚を使う刺身は量が選べる盛り合わせの他、単品でも注文できる。写真の「刺身浜盛り」は9 品で3 ~ 4 名分の量がある。
「閖上の赤貝」として有名な赤貝は、全国的に高い評価を得ているブランド品。身が大きく、上質な味わいで歯ごたえがある。
7 ~ 11 月に地元・閖上港に入る生しらすと釜揚げしらすの両方を味わえる「しらす二色丼」。卵はコクが強い蔵王地養卵を使用している。
 新型コロナウイルス感染症を契機にテイクアウトやオンラインショップを強化し、新たな販路も開拓した。2021(令和3)年にはテイクアウト専門の「おむすび処 浜むすびかわまちてらす閖上店」を開業。様々なイベントの依頼も来ており、積極的に参加することで知名度アップをしたいと考えているという。「美味しいは幸せ」という大きな目標に向けて、SNSの口コミへの小まめな返信や調理技術・接客技術向上のための勉強会なども実施している。
<店舗ホームページ>https://yuriage.co.jp/sp/nagamachi/

漁亭 浜や あすと長町店

宮城県仙台市太白区あすと長町1-4-30 S306

022-748-4115