ピンチをチャンスに
新たな客層を開拓
「平日は、工業団地にある本田技研工業の出張の方などが昼食に来店されます。新型コロナの影響で出張が減り、4月と5月はかなり影響を受けました。しかし、宇都宮市が始めたプレミアム付飲食券「宮の食べトクチケット」を利用して新規のお客様が来店するようになり、6月頃からは客足が回復しつつあります」と話すのは、宇都宮市中心部から芳賀工業団地に向かう、県道64号線沿いに店を構える『手打ちそば・うどん 若森』の2代目店主・柳岡孝則さんだ。
『手打ちそば・うどん 若森』は、初代・柳岡芳彦さんが1971(昭和46)年に別の場所で創業、1983(昭和58)年に現在地に移転し、昨年店舗をリニューアルした。芳彦さんは、栃木県組合の理事長や連合会の役員を歴任し、業界にも貢献してきた。現在は、芳彦さんと孝則さん親子2代で営業している。
店名の通り、手打ちそばが店の柱だが、3年前に電動石臼製粉機を導入したことで、そばのグレードが上がり、お客様にも好評を得ている。石臼は、店頭の外から見える場所に設置し、原料の産地を明記している。自家製粉を始めてから、遠方からもお客様が来店するようになったという。原料の丸抜きは、宇都宮市内の同業者と製粉業者から仕入れ、県内産を中心に使用する。
平日はそば、週末は家族連れが多く、丼物も良く売れる。「ランチセット」として設定する6種類のお得感のあるセットメニューは、価格面でも内容でも好評だ。ランチといっても夜も提供する。「近くにビジネスホテルができて、若いお客様が夕食に来店するので、手頃な価格で提供したいと考え、昼夜問わす提供していいます」という。家族連れ向けに、子供用の「お子様そば・うどん」「お子様天丼」やデザート類も用意する。
新型ウイルス感染症による経営上の打撃を受けたものの、新規のお客様を獲得することもでき、『手打ちそば・うどん 若森』の本格的な手打ちそばの味を知ってもらうことができたことは、収穫だった。今後はこのお客様から評判が広がり、さらに新たなお客様を呼び込んでほしいと思う。