明治創業以来の店を
若き店主が守る
熊本駅から車で10分ほど、熊本電鉄・藤崎宮前駅の対面に位置する『山本屋食堂』は、創業1877(明治10)年の老舗食堂だ。現店主・山本徳系さんは6代目に当たる。山本さんは、東京の大学を卒業後、銀座の日本料理店で修業を積み、熊本に戻り店を継いだ。
山本さんは「創業年以前も他の商売をしていたようです。曾祖母や祖父の話では藤崎宮前駅の場所にかつては米の集積所があり、阿蘇や菊池の農家が馬車で米を運んできて、その際に食事をする食堂として営業していたとのことです。当時の農家の方は米を卸して得たお金を使い、当店で食事をしてきたというのが自慢だったそうで、街中よりも近隣の山村での評判の方が高かったと聞いております」と店の歴史を話してくれた。