そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

長野県長野市『小菅亭』

 長野県を代表する名刹・善光寺の門前には、数多くのそば店が軒を連ね、各店が店の特徴を出そうと切磋琢磨しながら営業してきた。その中でも『小菅亭』は、1894(明治28)年に創業、昭和天皇・高松宮殿下が行幸の際にそばを御奉仕した歴史がある店だ。4代目店主・小菅志朗さんは「開業当初は善光寺の敷地の中で営業していたと聞いています。火災予防のために立ち退きになり、1941(昭和16)年に現在の場所に移転しました」と話す。
 地元の方や観光客が主な客層で、冬場は比較的落ち着いているが、春先から秋の紅葉シーズンまでは忙しくなる。店舗以外にホテルなどにそばの卸売をしている他、ネット通販やお土産用のそば・そばつゆの販売など販路を拡大してきた。お土産で販売している商品を手に取ったことで、店の存在を知り、来店される動機になることもあるという。かつては長野駅構内の駅そば店にそば・汁を納品していた。当時としては珍しい生そばを使っていたこともあり、お客様にも喜ばれていたが、駅の改装を機に閉店した。

『小菅亭』の看板商品である鴨を使用した定番の「鴨せいろそば」「鴨南蛮そば」に加えて提供している、「冷やし鴨そば」。店内はもともと座敷であったところをテーブル席にし、従来から座敷で使用していた6人席用のテーブルは一部再利用している。
 そばは長野県産を使用し、外二八で手打ちする。売れ筋は鴨を使用したメニューで、年齢を問わず注文が多い。現在使用している鴨肉が、鳥インフルエンザなどの影響を受けていることもあり、今後は県内・飯綱高原で育てられた鴨を使う予定もある。県内産のそばと鴨、お客様に対するPR にもつながると考えている。注文のほとんどがそばだが、うどんも提供しており、注文が入った際には必ずアレルギーの有無を確認し、別の鍋でゆでるなど注意している。
 店内は襖をロールカーテンに、座敷席であったところを改装し、テーブル席に、6人掛けを4人掛けにするなど、時代に合わせて手を入れている。高齢化や生活様式の変化で座敷に座ることをためらうお客様が多いことや、1卓の席数を減らしたのは、相席を敬遠するお客様が増えたためだ。 創業130 年を超える老舗でありながら、常に新しいことにチャレンジしてきた『小菅亭』。老舗というと伝統を守ることに目が向きがちだが、伝統を守りながらも、常に進取の精神を持ち、時代の変化に対応することが長く商売を続ける秘訣といえる。
<店舗ホームページ>https://kosuge-tei.com

小菅亭

長野県長野市東之門町367

026-232-2439