明確な経営目標で
店を新たなステージに
埼玉県川口市の『お蕎麦や 杉うら』は、鉄道駅からは離れている、郊外形の大型そば店だ。1964(昭和39)年に、現店主・杉浦達雄さんの父親・晨雄さんが『川口 大むら』として創業した。戦時中の食糧難を経験した晨雄さんは、「お客様にお腹いっぱい食べてほしい」という思いを大事にし、地域に愛されてきた。達雄さんが店に入ったのは2002(平成14年)だ。
「私は旅行会社に勤めていたのですが、周囲からはなぜ仕事を辞めるの、技術もないのにそば店を継ぐのは無理と、言われました。確かに修行したわけではないし、技術がないのも確かです。でも店をなんとかしたいという思いで戻りました」と、達雄さんは話す。