そばの花観察運動
第36回 そばの花観察運動
一般社団法人日本麺類業団体連合・全国麺類生活衛生同業組合連合会が主催する「第36回そばの花観察運動」は、全国の小学校の子どもたちが育てたそばの花をさまざまな表現で描いた写生画が、1,038作品寄せられました。
令和2年12月20日、本間基史先生(関東甲信越静地区造形教育連合元理事長)、平田耕介先生(東京都図画工作研究会理事長)による審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞2点、努力賞10点、日麺連賞10点、そして参加校・応募作品数を高めることを主旨として、佳作100点が選ばれました。
福島県立白川第一小学校 5年
石橋 佳歩
鉛筆で丁寧に蕎麦の花を観察しながら下描きをしたのではなでしょうか。薄っすらと残っている繊細な鉛筆の線から、集中して取り組んでいた様子を感じ取ることができました。
パレットで絵の具の混色をしたり、水の量を考えたりしながら、彩色にも思いを込めて表していたことがわかります。清々しい色で描かれた空の下、花の雄しべや雌しべ、葉脈などの細かい部分は、細筆で表しつつ、花びらは、鉛筆で描いた線を生かしながら表しているところもこの作品のよさです。
兵庫県丹波市立青垣小学校 2年
下野 耕士朗
力強く描かれたクレヨンの形や色が、見る人を元気な気持ちにさせてくれました。クレヨンで色を塗り重ねた工夫も素敵です。
花や葉脈などの細かい部分は、鉛筆で描き足したり、絵の具をつかって背景を描いたり、表し方を組み合わせているところにも工夫を感じることができました。満開の蕎麦の花が咲く畑を見下ろしながら、気持ちよさそうに空を飛ぶ鳥たちが描かれているところも、この作品を楽しくしていますね。
新潟県長岡市立希望が丘小学校 4年
吉田 碧浬
プランターで大切に育てている様子が伝わってきました。水をあげたり、観察したり、日々蕎麦の花の成長を心に留めていたのではないでしょうか。花が咲き、満開になったときは、きっと嬉しかったことでしょう。
茎や葉の色を微妙に変えて描いたり、色を塗り重ねて土の感じを表したり、太筆、細筆を使いわけて、いろいろな工夫が感じられました。晴天の下、元気よく育てられた蕎麦の花を見て、心が晴れ晴れとしました。
宮城県登米市立北方小学校 2年
千葉 れんか
山形県上山市立宮川小学校 3年
植木 明香里
福島県白河市立白河第一小学校 5年
峯田 秋羽
栃木県宇都宮市立清原北小学校 2年
清水 ゆうか
東京都品川区立立会小学校 4年
佐野 由紗
東京都港区立芝小学校 5年
福島 陽
福井県勝山市立平泉寺小学校 4年
山内 莉乃
福井県勝山市立平泉寺小学校 1年
千京 大悟
福井県福井市美山啓明小学校 6年
小林 里菜
福井県福井市美山啓明小学校 6年
前川 佑奈
宮城県登米市立北方小学校 2年
菅原 七海
秋田県秋田市立寺内小学校 5年
宇佐美 友彩
栃木県宇都宮市立清原北小学校 5年
菅俣 凜
千葉県八街市立朝陽小学校 3年
松田 優花
東京都品川区立立会小学校 4年
山中 梨彩菜
東京都港区立赤羽小学校 1年
渡邊 明雅
富山県立山町立高野小学校 2年
山本 莉果
福井県勝山市立平泉寺小学校 5年
牧下 空桜
静岡県静岡市立長田北小学校 3年
松永 璃玖
- 宮城県
登米市立北方小学校 - 2年 佐藤 紗羽
- 秋田県
大館市立城西小学校 - 6年 田澤 愛美
- 4年 畠山 優空
- 3年 畠山 星空
- 2年 佐々木 歩未
- 山形県
上山市立宮川小学校 - 3年 木村 沙妃
- 福島県
白河市立白河第一小学校 - 5年 朶 心菜
- 5年 佐々木 采音
- 栃木県
宇都宮市立清原北小学校 - 6年 勝田 奏
- 6年 亀井 莱好
- 4年 池田 菜々美
- 3年 穀野 あさひ
- 3年 半田 彩寧
- 千葉県
八街市立朝陽小学校 - 3年 石垣 綾香
- 3年 小原 瑛真
- 3年 渡邊 美珠
- 東京都
葛飾区立葛飾小学校 - 3年 朝妻 凛花
- 3年 大澤 ゆい
- 3年 大瀧 磨弥
- 3年 河本 芙美
- 3年 竹本 美音
- 3年 田辺 琳太郎
- 3年 前田 倖佑
- 3年 和島 治輝
- 東京都
品川区立立会小学校 - 6年 池田 奈弓
- 6年 菅原 瑠華
- 6年 松田 彩花
- 6年 松田 凛星
- 6年 吉川 陽奈子
- 4年 上村 光明
- 4年 片寄 謙
- 4年 杉田 絵莉
- 4年 福田 幸
- 東京都
品川区立山中小学校 - 2年 小玉 有輝
- 2年 澤田 隆太
- 2年 早川 永真
- 東京都
東大和市立第九小学校 - 6年 伊藤 勇気
- 5年 田島 弘貴
- 3年 榎戸 斗真
- 1年 赤上 彩
- 東京都
港区立赤羽小学校 - 1年 井手 桃眞
- 1年 岩井 黎衣
- 1年 岩本 百加
- 1年 橋戸 教信
- 1年 濱田 結真
- 1年 原 新奈
- 1年 藤井 晴馬
- 1年 山本 庵
- 1年 RUBLICO PANOPOL AISHA
- 東京都
港区立芝小学校 - 5年 卜部 瑛介
- 5年 根立 菜々子
- 5年 福永 圭桃
- 富山県
立山町立高野小学校 - 2年 柿澤 愛結
- 2年 福島 史織
- 福井県
勝山市立平泉寺小学校 - 6年 松田 菜奈
- 5年 上山 雄生
- 3年 小林 絆真
- 2年 北坂 陽梨
- 2年 小林 凜佳
- 1年 澁谷 銀河
- 福井県
坂井市立平章小学校 - 2年 池田 湊太郎
- 2年 大久保 陽翔
- 2年 蔵中 まりあ
- 2年 酒井 あずな
- 2年 清水 美緒
- 2年 髙柴 明莉
- 2年 高島 亜美
- 2年 舘 大稀
- 福井県
坂井市立長畝小学校 - 2年 織田 柊史
- 2年 清水 まりん
- 2年 杉田 葵
- 福井県
福井市宝永小学校 - 2年 植松 沙来
- 2年 河本 有加
- 2年 竹下 蓮桜
- 2年 庭本 真有
- 2年 波多野 絢華
- 2年 福島 菜緒
- 福井県
福井市美山啓明小学校 - 1年 前田 蒼茉
- 2年 門 柚希
- 2年 前川 奈央
- 3年 川崎 虎優
- 3年 松村 遥佳
- 4年 中村 太季
- 5年 小林 里菜
- 6年 林 咲月
- 6年 渡邉 優奈
- 長野県
長野市立戸隠小学校 - 2年 丸山 奏
- 1年 吉岡 純
- 静岡県
静岡市立長田北小学校 - 3年 久保 七未
- 3年 定免 大雅
- 3年 満目 咲希
- 3年 森藤 都美
- 3年 山本 英鈴
- 兵庫県
丹波市立青垣小学校 - 6年 太田 乃愛
- 5年 塩津 真弥
「第36回そばの花観察運動」
作品審査総評
第36回そばの花観察運動に今年は1,038点の作品が集まりました。北は秋田県から南は兵庫県まで14の都府県からの応募がありました。
この新型コロナウイルス感染症による全国一斉休校などもあり、教育現場は三密を防ぐ、マスク着用、手洗い、消毒など通常の学校生活を送れるまでに至っていません。そんな中でも昨年の応募総数を上回る出品数があったことに感謝申し上げます。本作品展の大きな特徴は希望する学校にそばの花の種を配り、子供たちが、土を耕し、水やりをし、精魂を込めて育てた自分のそばの花を描くことにあります。まず、今年の環境下にあって、そばの花を育てることも大変だったことでしょう。やっと育てたそばの花を前に、子供たちはどんな思いで描いていったのでしょうか。例年以上にそばの花からイメージが広がっていった作品も多く見受けられました。
入選作品は、そばの花を主役に、本来の趣旨である観察画として優れたものを選ばせていただきました。繊細なそばの花、葉、茎に目を向け、細かい色の変化、花や葉の形状を捉え、表現した作品です。発達段階によって描画材料の経験値の違いはありますが、子供たちの素直に表現した作品が多く見受けられました。もちろんそばの花を描きながら、発想を膨らませていくことも造形表現としては大切なことですが、あくまでも子供が主体的に考えたものが描かれていかなくてはなりません。一律的な描画材の使い方や、わき役の指示ではなく、そばの花とじっくり向き合って、感じた色や形を自由に描かせてあげる環境を、指導者の方が保証するように引き続きお願いします。
そばの花を育てる体験、しっかりと観て描く活動、自分の作品や、友達の作品を鑑賞して振り返りを行うことによって「そばの花観察運動」が主体的な深い学びとなります。自分が描くものを、土に触れ、水やりをするところから関わる貴重な体験ができるそばの花観察運動に、次年度も、より多くの学校が参加してくれることを願います。
関東甲信越静地区造形教育連合
元理事長 本間 基史