そばの散歩道


第27回 槇村 さとるさん

そば屋で昼下がりのデート あこがれですね

第27回 
槇村 さとるさん
(漫画家)

槇村 さとる(まきむら さとる)
漫画家。1956(昭和31)年東京都生まれ。1973年、集英社『別冊マーガレット』から『白い追憶』でデビュー。以来30年以上、少女漫画界において常に第一線で活躍。代表作に、『愛のアランフェス』『白のファルーカ』『氷のミラージュ』他、多数。90年代の終わりに集英社『YOU』で連載されたグルメ漫画『おいしい関係』は、中山美穂、唐沢寿明の主演でドラマ化もされた。現在は、ファッションをテーマにした『リアル・クローズ』を集英社『YOU』に連載中。

昔は、食べることに全く関心がなかった

― 小さな洋食店を舞台にした漫画『おいしい関係』を書かれていますが、昔から食べることがお好きだったんですか。

槇村 ごく普通です。むしろ、食べることに無頓着で、おいしいお店など、全く知りませんでした。編集者の方々はグルメの人が多くて、流行のお店によく連れて行ってもらったのですが、どんな料理だったか全然、覚えていないんです。関心がないのね。で、ある時、私は食べ物に関する意識が全く開発されてないんだと思ったのです。

第27回 槇村 さとるさん

― それじゃ、なぜ食べ物を題材にしたのですか。

槇村 ちょうど、新連載を考えている時で、偏屈な男を描きたかったんです。音楽をテーマに、ピアニストかな、指揮者かなって。そうしたら、食いしん坊の担当編集者が「食べ物の話にしましょうよ」って。「でも私、何もわからないよ」と言うと、「フレンチなら誰もわかりませんよ」と言ってくれて……。

― それでフレンチにしたんですか(笑)。確かに、ポピュラーじゃないですね。

槇村 そう、古くから日本に入っているけど、実はあまり知られていない。今でもイタリアンには負けてますよね。だから、食べながら勉強して、主人公と一緒に知らない世界に入ればいいかなと。

昼食は、そばが常食 ダイエットにもおすすめ

― 少しはグルメ志向になりましたか。

槇村 多少は。当時は若さもあり体も頑丈だったので、よく食べ歩きましたね。ずっしり重いフレンチコースに、デザート、チーズ。ブランデーを飲んで、葉巻も吸ってと、本当にフルコースで食べていました。今はさすがに無理ですね。最近は、和風の食べ物が体に合ってきた気がします。イタリアンも軽めだから好きです。パスタとか、やっぱりめんはいいですね。

― そばはいかがですか。

槇村 昼は毎食、そばです。ダイエットにもいいですし。山芋そばやきざみそばとか。かき揚げはヘビーですね。近所のそば屋にもよく行きます。そこの鴨南蛮がすごくおいしいんです。

― 僕は「天すい」が好きですね。軽く飲んだ後、かき揚げとつゆだけで締める……。

槇村 そんな格好いい食べ方、小説の中でしか読んだことありませんよ。でも、昼下がりのデートにそば屋っていいですよね。粋で、格好いいシーンが描けそう。

ダンナや仲間とワイワイ飲むのが最高

― お酒はブランデーが一番ですか。

槇村 今はワインですね。日本酒と焼酎はあまり飲みません。泡のでるお酒も好きですね。

第27回 槇村 さとるさん

― ビールですか。

槇村 シャンパンですよ! 酔い心地が違うんですよね。シャンパンだと、次の日までほわ〜んとしていられる。ちょうどいい感じに酔うと、お酒に勝った気になって気持ちいいですよね。そういえば、男の人って、飲んだ後にめんを食べたがりますが、おいしいのかしら?

― めんじゃなくて、汁がほしいんですよ。

槇村 ダンナ(性人類学者のキム・ミョンガン氏)もよく食べたがります。もちろん、禁止していますけど。でも、漫画の中で、熱血サラリーマンが仕事の鬼になって営業するシーンでは、深夜遅くまで接待し、明け方のラーメンまでつきあうという描き方をしますよ(笑)。

― 料理はよくつくりますか。

槇村 はい。ダンナが韓国人なので、のり巻きとか、チヂミとかつくると喜びますね。あとは、玄米ご飯、焼き魚など、和食が多いです。お酒のセレクトは彼の担当で、おいしいワインや日本酒を仕入れて、一階のワイン庫に集めて飲んでいます。でも、ちょっといいワインは、なじみの店に持っていって飲むことが多いですね。もったいないから。家だと、グターっと飲んで終わっちゃうじゃないですか

― 締め切りに追われる毎日、ストレス解消法は?

槇村 仕事中は、食べることしか楽しみはないですね。締め切りって、すごいプレッシャーがかかるので、食事でテンポをつくっておかないと、すぐボロボロになっちゃう。それで、ひと区切りついたら、みんなでワイワイ飲む。これが最高においしい。すぐに次の締め切りがやってくるから、ほんの泡沫なんですけど(笑)。

( 08年4月15日「フライングキャットスタジオ」にて収録)撮影/ STUDIO MAX 高橋昌嗣




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