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山岡久乃さんの演技で衝撃を受けて演劇界へ。― 役者を志すきっかけになったようなことはありましたか? 川上 小さいとき、テレビで女優の故・山岡久乃さんが出演された「かんころ餅の島で」という、ヒューマン・ドキュメンタリー大賞受賞作品のドラマ化されたものを見たんです。ど根性母ちゃんの役で出た山岡さんが悲しいシーンで楽しげに「どんぐりころころ」を歌うのを見て、すごく泣いてしまったんです。それから役者になりたいと思いました。 ― 現在どこかの劇団に所属されているんですか? 川上 いえ、フリーです。寺山修司さんのお弟子さんだった高取英さんの劇団に客演で足かけ七年いました。 ― これからの舞台の予定はありますか? 川上 七月に公演があります。年間二〜三回の舞台公演に出て、あとは映画、テレビ、ラジオ、ナレーターなどをやり、短歌もつくっています。短歌はまったく自己流で、先生も手本もないんです。 うどんよりもそば、冷たいのも温かいのも好き。
― おそばはお好きですか? 川上 私は、うどん派ではなくおそば派なんです。冷たいのも温かいのも好きです。小さいころから、ラーメンよりもおそばが好きでした。 ― なぜ、おそばが好きになったんですか? 川上 父が新潟県の小千谷出身だったので、そのせいかへぎそばをよくたべました。あの容器をへぎというんだそうですね。ふのりがつなぎに入っていて。 ― へぎという容器だと、ゆでたそばを盛ってものびないんです。だから、宴会などで食べるんです。普通のそばだとのびちゃうんだけど。小千谷の人は、お酒を飲みながらゆっくりご飯を食べたりするので、ちょうどいいんでしょうね。 川上 父は小千谷ですが、母は茨城県の浮島の出身なんです。 ― 茨城県も北の方はそばの産地なんですよ。ご自分でそばを打つようなことは? 川上 それはしたことがないんです。もっぱら食べる方に徹する(笑)。でも、大学を卒業した時、新横浜のラーメン博物館でアルバイトをしました。小さいころは家が貧しくて、インスタントラーメン一個を親子三人で分けて食べたこともあります。 ― でも大学まで行くことが出来た? 川上 それなのに売れない役者になって妙な短歌をつくって……。親は「こんなはずじゃなかった」と思っているでしょうね(笑)。 ― とくに好きなそばは? 川上 おそばは何でも好きです。最近やっと立ち食いそばの店に入れるようになりました。今まで恥ずかしくて入れなかったんですが。ある日、派遣で働いてから稽古に行くときに、中野でお腹が空いてしまって、温かい天ぷらそばが食べたいと思ったんです。立ち食いそばには行きにくいんで、普通のおそばやさんに入って、お品書きを見たら「てんぷらそば一八〇〇円」。これは時給より高い。入った手前仕方がないと頼んだら、大きな海老天が一本だけでがっかり。 自分の思いの表現に短歌がある。― 短歌は、どういうときに詠まれるんですか。 川上 夜、舞台稽古をして帰宅すると、特に恋愛をしている時に、自分が発見したことなどを三一文字で表現する短歌という形式がぴったりでした。それに、寺山さんの劇に出たとき、彼の短歌が台本に出てきて、自分の内側に残ったからかもしれない。 ― 演劇関係の人はお酒に強い人が多い。太地喜和子さんなどもそうでしたね。 川上 太地さんには憧れていましたから、一度お会いしたかった。彼女が昔、テレビでインスタントうどんのCMに出ていたのを覚えています。赤い着物を着て、くつろいだ格好で。そのせりふが「うどんのような女? あたしが? それ当然、ほめ言葉でしょ?」って言うんです。小さいときに見たのですが、うどんの白さと太地さんの柔らかさがぴったりで、すごく印象に残るCMでした。 ― 太地さんはとても気のいい人でね。昭和五〇年代に飲み歩いていたころ、一緒に飲んだことがあるんです。ご自分で料理はつくられますか? 川上 理は母まかせで、全然ダメ。大体、お店に入っても「上」と「特上」の区別がつかないんです。ある程度おいしいものだったらいいと。これではお嫁に行けない(笑) ― どういった芝居をやってみたいですか? 川上 海外の翻訳劇をやってみたいですね。女喜劇役者になりたい。あとはサロメとか。 ― ラーメンはお好きですか? 川上 とんこつラーメンが好きです。冷やし中華は食べない。甘酸っぱいのはダメなんです。「ホープ軒」や「こむらさき」のラーメンがおいしかった。父方の叔父が寿司屋や焼き肉屋などをしていたことがあって、食べものは恵まれていたかもしれませんね。 (‘06年6月15日・横浜市・東横線白楽駅西口「doudou」でインタビュー) |
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