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第1回 谷垣禎一財務大臣

そばは国民食。
もっとそばを普及してもらいたい。

第1回
谷垣禎一財務大臣

谷垣禎一
1945(昭和20)年京都府生まれ。学生時代は東大スキー山岳部の主要メンバーとして活躍。72年東京大学法学部を卒業後、弁護士として活躍していたが、元文相の父・専一氏の急死に伴い政界へ進出。以来連続当選9回。日本蕎麦協会会長を務める。

温かいのも冷たいのも、そばは何でも好きです。

― そばが大好きとお聞きしていますが。

谷垣 子供のころから、そばもうどんもよく食べています。小学校四年生のころ塾に通っていて、その塾の先生が、夜遅くなると近所のそば屋さんに出かけてうどんを時々ごちそうしてくれる。先生にごちそうしてもらって、友達と一緒に食べるのがうまかったんですねえ。

― 戸隠そばともご縁が深いとか。

谷垣 私は高校三年のときと浪人していたとき、戸隠に夏勉強に行っていたんです。中社の下にある宝光社というお社の横に戸隠講に来る人を泊めるところがあって、そこにお世話になったんです。昼は毎日そこのおかみさんが打ってくれるそばです。毎日毎日食べて、それがそばの原体験という気がします。

― どんなおそばがお好きなんですか。

谷垣 何でも好きです、温かいのも冷たいのも。自転車が趣味で暇があれば乗るようにしていまして、冬の昼時、その辺で見つけたそば屋さんに入る。あったかいそばっ てうまいですよね。今年は寒いから、鍋焼きうどんなんてよくやったりしました。

― よく「そばは東京」と言われますが、関西のそばと食べ比べてどうですか。

谷垣 私のところ(京都府)は、割り合い出雲の影響もあるんです。だから、出雲そばみたいなのがありますけれども、どちらかというと、うどんのほうがうまいような 気がします。だしが違うんですね。だけど、にしんそばなんか食うと、うまいんですよ。

― 関西では、味が薄いので、もりそばでも汁をたっぷりとつけて食べる人が多いようですね。東京風ですと、いわゆる濃い汁にちょこっとつけて……。

谷垣 でも東京でも、私はまあ、適当につけて食べてます。死ぬときに後悔しない程度に。

おやじを思い出す、「そば屋で一杯」

第1回 谷垣禎一財務大臣

― お父様のご実家が酒屋さんですね。

谷垣 おやじは役人でしたけど、家が酒屋なんです。そういうルーツから考えると、飲まないとご先祖様に申しわけない。

― 特にそばと日本酒という組み合わせはいい……。

谷垣 私の父は、「おまえ、そば屋で一杯飲むというのはなかなかしゃれてんだぞ」と言っていたんです。ところが、おやじがそんなことを言っていたころは、こっちは腹のすく世代ですからね。しゃれてるかどうかなんてあんまり関係ないんですよ。だけど、司法試験受かって東京地裁の司法修習生時代、民事裁判の裁判長が仕事が終わると「修習生、おい、そば屋に食いに行こう」って連れていってくれましてね。ちょっと一杯飲みながら、その日にあった法廷の証人喚問はできが悪いとか話してくれたんです。それで、おやじが言っていた「ちょっとつまみで一杯」を思い出したんです。

― 今でも行かれます?

谷垣 このごろ、「そば屋で一杯」ということを意識した店も多くなってきて、うまいもんが置いてあるところがあるんですね。てんぷらがあったり、結構うまいし。

そばは音を立てて食べないと、おいしくない。

― これは前に、食通としても知られた入江待従長がおっしゃっていたんですけど、お酒飲んでいると、どうしてもそばを食べるのが後になる。のびたそばに酒を振りかけて食べると、香りがたって、これがまたうまい、と。

谷垣 そうか、香りがおいしいんですね。この間、アメリカ行ったら、結構そばがはやっているんです。ソバを一緒に食おうなんて、どっかの経済界のわりあい偉い人から誘われましてね。ところが、のびてこしのない、のび切ったようなやつをくちゃくちゃやるんで、変だなあと。

― それと、日本人みたいにすすれないんですよ。つるつるって。

谷垣 そうそう。昔、防衛政務次官をやっていたとき、フランスの大臣が見えまして、奥さんとご一緒にそばを食べたんですけれども、くちゃくちゃかんで見ていてもうまそうじゃない。だから、私言ったんですよ。「音を立てるのはフランスでは下品なのはよくわかっている。だけど、そばを食うときは、絶対下品に食べないとおいしくないんだから」ってつるつるってやったんですよ。だけど、だめなんですよ、彼らは。(笑)

― やっぱり音を聞いているだけで、あ、うまそうだなと思いますもんね。

谷垣 だって、それがなきゃ、落語だって、そば食うところできないですよ。そういう意味ではまさに国民食ですね、そばは。自分の感じでは、そば屋さんのそばは昔に比べるとうまくなってきたと思うんです。できるだけおいしいそばを提供して、もっともっとそばを普及してもらいたいですね。

(‘06年2月13日インタビュー)




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