麺類雑学辞典


田舎そば
 一般に「田舎そば」といえば、さらしなそばの対極にあるそばと位置づけられる。白く細い繊細な風味のさらしなそばに対して、太めで黒っぽくそばらしい味わいの濃いそばが田舎そば、そして、両者の中間にあるのが、いわゆる並そばということになる。要するに、そばの色と太さによる大ざっぱな区別、定義である。

 また、田舎そばは「山家そば」とも呼ばれるが、これは江戸風そばに対する地方のそばという意味合いである。この場合の地方とは農山村を指すが、とりわけ山里のイメージが濃い。それはそのまま江戸風そば=洗練されたそばとは反対の、無骨なそばという言い方よりもさらに、都市と地方(田舎)の対照を際立たせた言葉ともいえよう。しかし、この無骨なそばも、見方によっては野趣のあるそばになる。

 ところで、田舎そばという言葉がいつ頃からあるのかとなると、はっきりしたことはわかっていないようである。たとえば、『守貞謾稿』など、江戸時代末期のそばの品書きについて詳述している文献にも出てこない。だからといって江戸時代には田舎そばという品書きがなかったとは断言できないのはもちろんだが、江戸市中である程度の人気を得ていた品書きだったとしたら、記録されていないというのは不自然だろう。

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