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そばは三分

もりそばを食べる時、箸でつまみ上げたそばの、先のほう三分ほどだけをつゆにつける、という意味。つゆにちょいとつけたらさっと引き上げ、ずずっと勢いよくすすり込む。東京では、これが粋なそばの食べ方ということになっている。

たしかに、つゆにどっぷりとそばを浸して、おまけに箸でそばをかき回すような食べ方は、お世辞にも粋とはいいがたいだろう。そういう見た目のことよりも、そもそもつゆに浸してしまっては、そばの香りや風味を十分に味わうことができない、という意見もある。つゆはあくまで、そばの味を引き立てるためのもの、というわけだ。

ただし、こういう食べ方がいつ頃から「粋」とされたのか。実ははっきりしたことはわかっていない。江戸の町をそば屋が席巻したのは18世紀後半からのことで、この時代にはいわゆる江戸っ子意識が芽生えているが、いまのところ残念ながら、そばの粋な食べ方に言及している文献は見当たらない。

落語の影響ではないかという見方もあるようだが、その落語にも、そば通が最期に、一度でいいからつゆをたっぷりとつけて食べてみたかったと、本音を吐く噺もある。

現実的な推測としては、昔はそばつゆが辛口だったためという解釈がある。そばつゆも含め、濃口醤油を使う江戸料理は全般に、関西料理に比べて味が濃厚だ。それで自然と、つゆを少しだけつけるようになったのではないかという。

もちろん、そばの食べ方に決まりがあるわけではないが、こんなことが話題になるところが、そばらしいともいえそうだ。




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