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七十五日

「そばは七十五日」という諺がある。ソバの収穫までの期間が短いことを「七十五日」で表したものという。

品種や栽培時期などによって多少変わってくるが、ソバは概ね種を蒔いてから一カ月ほどで花が咲き、80日程度で刈り取り時期になる。奈良時代には、日照りでコメが穫れない時に急場をしのぐ救荒作物に指定された記録があるが、それも、ソバの極めて短期間で成熟する性質が重宝されたからだろう。

「人の噂も七十五日」というように、「七十五日」は、それほど長くない期間のたとえとして使われてきた象徴的な日数だが、もうひとつ、初物を食べると長生きできる日数という意味もあり、「初物七十五日」という言葉もある。初ガツオに代表される江戸っ子の「初物好き」も、初物を食べると七十五日寿命が延びるという俗信が基になっている。

ところで、江戸では秋の初物といえば新そばで、こちらも大変な人気だったようだ。年越しそばの縁起かつぎに見られるように、もともとそばには長寿にあやかれるイメージがあったが、さらに七十五日の俗信が加わるのだからなおさら珍重されたことだろう。18世紀末の天明期には、
新蕎麦に又生延る長命寺
という川柳が詠まれている。

現代人にとってこんな俗信は無意味だろうが、走りのそばを首を長くして待っていた江戸人の気分は、実感として理解できるのではないだろうか。新そばを待ちこがれる思いを詠んだ、
蕎麦の花咲かぬうちから言ひ合はせ
という古川柳もある。




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