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十割

めんの数字あれこれ

最近、そば屋でよく見かける品書きのひとつに「十割そば」というのがある。いうまでもなく、そば粉100%で打ったそばのことで、生粉打ちそばとも呼ばれる。

そば屋の看板などに書かれている「生蕎麦」というのも、本来は十割そばを指した言葉で、江戸時代には「御膳蕎麦」とともに、グレードの高いそばということをアピールするキャッチフレーズであった。二八そばなど小麦粉をつなぎに使ったそばに対する差別化である。ただし、現在のそば屋の看板にある「生蕎麦」「御膳」は単なる江戸時代の名残であり、一般には生粉打ちを意味するわけではない。

ところで、そばに小麦粉のつなぎを加えるようになるのは、早くても元禄時代(16世紀末から17世紀初め)以降のこととされる。つまり、そばは本来、そば粉だけで打つものだったわけだ。しかし、とりわけ江戸におけるそば文化の発展という視点から見ると、二八そばなどつなぎを加えるそばが果たした役割(打ちやすさ、食べやすさなど)を無視することはできないだろう。

なお、最近になって十割そばが増えている背景には、そば粉の品質そのものの格段の向上がある。江戸時代のそば屋もそば粉の品質の悪さや劣化には苦労したらしく、一八世紀中期に書かれた『蕎麦全書』も、そのことが小麦粉のつなぎを使うようになった原因と指摘している。




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