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そばの史跡探訪
 

●東京都
『東京都・蕎麦喰地蔵噂』



蕎麦喰地蔵噂 そば喰い僧の伝説といえば、「蕎麦喰地蔵尊」も有名だ。毎夜、そばを食べに来る高貴な僧を不思議に思って、そば屋のあるじが跡をつけてみると、地蔵堂の中にすっと消えた。その夜、枕元に地蔵のお告げがあり、毎日のそばの礼と、一家の安全を約束された。

以来、あるじは地蔵様にそばを供えたので、江戸中に悪疫が流行した折りも、一家は難を免れた。この地蔵尊のある寺は、幾度かの移転ののち浅草田島町に移り、現在は練馬区にあると資料にあった。資料に記されていた寺の名は「誓願寺」。

ところが、地図で見たかぎりその番地にはその名の寺がない。あるのは、十一ヶ寺といって○○院というのが一一ある寺だ。ダメで元々のつもりで電車に乗った。西武線豊島園駅。遊園地に向かう子供連れや若いカップルを横目でにらみながら、彼らとは反対方向に進む。

にわかに線香のにおいがしてきた。門の看板を見る。やはり「誓願時」の文字はない。山門を入ると道路を隔てて左に五つ、右に六つの「院」がある。目当ての地蔵様はどこにあるのか、右の院を訪ね、左の院をのぞく。院内のどこにあるとも知れないし、大きさや形も分からないから、くまなく探し回る。「ここにもない…、やはり誓願寺のある所なのか」と諦めかけて、あと二つとなったとき地蔵様の社が目に飛び込んだ。山門から向かって左の一番奥の「九品院」の脇に地蔵様がいた。

門には「延命蕎麦喰地蔵尊奉安所」とある。間違いない。干しそばが供えられている。来た甲斐があった。ありがたい。思わず手を合わせた。


 

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