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お宝拝見


こね鉢とお茶のセット
 ●所蔵/寿治左ェ門(福島県会津若松市)



こね鉢とお茶のセット

 
会津塗りの掘り出しもの
 
会津は工芸の地である。その一つに会津漆器がある。今から四〇〇年ほど前、天正年間に蒲生氏郷が近江国から会津に入り、根付いたといわれている。以来、歴代の藩主が推奨し、技を磨いてきた。しっかりした木の細工、ていねいに塗りこめた気品ある仕上げ、喜多方、会津若松などには木地屋さん、塗りの職人、卸の店などを入れて数千の人たちがかかわっていたという。数は減ったが、いまもこの伝統は続いている。
『寿治左ェ門』は、会津漆器を使うことにこだわっている。どんぶり、つゆ入れ、天ぷらを盛る皿、ざるおき、小鉢、薬味をのせる小皿、汁椀などすべて特注の会津塗である。主人の五十嵐忠三さんは「お金はかかりましたが、会津の工芸を知ってほしいと思って」と語る。
店は今年四月(編集者注:二〇〇〇年四月)にオープンしたばかり。それまでは居酒屋であった。そばは個人の趣味として自宅で打ち、客にも提供していたが、思い切ってそば・うどん主体に転向。会津若松市内の鶴ヶ城前という地の利もあって、早くも観光客を集めている。
会津漆器にこだわっていた五十嵐さんに、お宝情報が持ちこまれた。一つは二〇〇年前と思われるこね鉢。農家の蔵で見つかったものらしく、表面ははげていたが、塗り直してもらった。直径六五センチメートル、高さ一七センチメートル、底が平らになっていて、朱と黒の混じった色合いは、会津のものである。
もう一つは、お茶のセット。きゅうす、茶筒に茶碗、茶たくが五つずつ。黒く塗り上げられて、どれも八角形になっており、木が部厚い。昭和三〇年代、昭和天皇が行幸のさい、漆器展示会にお見えになるというので特注したものという。
こね鉢も、お茶のセットも実際に使うことはないだろうが、店に飾って会津へのこだわりを日々確認しながら、仕事に励みたいと話す。付け加えると、だしは京風の薄味。幕末、京都を守った会津藩への思いもあるようだ。



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