そばの散歩道お宝拝見メニューへトップページへ
お宝拝見


藪本店の絵図
 ●所蔵/上野藪そば(東京都台東区)



藪本店の絵図

 
伝統を継ぐお守り
 
『上野藪そば』の一階から二階へ上がる中間、左手に一枚の絵と色紙が掲げてある。絵には、「蕎麦商 駒込團子坂 藪蕎麦」と書いてあり、江戸のころの店の様子がうかがえる。銅版を刷り込んだものらしく、彩色はほとんどされていないが、とにかく広壮である。武家のお屋敷か、あるいは木々に囲まれた別荘の趣きがある。当主の鵜飼良平さんは、「当時のおそば屋さんは、料亭といってよかったのでしょうね。座敷にあがってひと休みするのかと思うくらい、広いし、変化に富んでいます」と語る。
画かれたのは昭和のはじめのころで、藪の本家である神田の『藪そば』の親戚の画家が画いた。まだ存命だった年寄りの記憶をたどり、絵にしたのだという。絵は数枚、藪のお店に配られた。いっしょに飾られている色紙は、昭和四七年、いまの建物に改築したとき、良平さんの父、禎次郎さんが語ったのを書家が記した。達筆ですらすらとは解読できないが、藪の流れを説明したものらしい。
店は良平さんの祖父、鵜飼安吉から『藪安』と名乗っていたが、ビルに直したときに、いまも九一歳で元気な神田の『藪そば』の堀田康一さんから、「そろそろ『藪そば』にしていいのでは」と勧められ、地名の上野を入れて『上野藪そば』とした。安吉さんは初代になるが、神田で修業し、上野駅近くのいまの場所に店を開いた。良平さんは三代になるが、藪の伝統を守っている。とくに汁のとり方。本がえしが普通だが、なま返しといわれる手法を続けている。しょうゆに火を入れない。濃い味がする。
三代目は手打ちの師範としても有名だが、この絵と色紙について、「店のお守りです。これを見るたびに、すばらしい伝統を背負っているのだ、守らなければ、と思いを新たにしています」と話している。



お宝拝見メニューへ お宝拝見メニューへ トップページへ トップページへ

お問い合わせはこちら お問い合わせはこちら
copyright(c)1998-2007(社)日本麺類業団体連合会/全国麺類生活衛生同業組合連合会