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そば打ち秘伝書
 ●所蔵/小堀屋本店(千葉県佐原市)



そば打ち秘伝書

 
江戸時代の先達が生み出した独創的な麺あれこれ
 
江戸後期・天明二年(一七八二)創業の『小堀屋本店』に代々伝わる家宝の一つ、『そば打ち秘伝書』。古びた和紙製の巻き物を紐解くと、「御膳 御用 御上り」という書き出しではじまり、「御生蕎麦」、「御膳汁」…と、墨書きの筆記が続く。さらに紐解くにつれて、「茶切」「柚子切」「菊切」「香切」など、五七品の変わりそばやうどんの名称とその調理法に関する記述が現われた。どうやら、この秘伝書はお武家様用のメニュー表(レシピ)として使われたらしい。
記述の中で特に珍しいのは、「寿々切」と「笹々切」。六〇年に一度花を咲かせて実を結ぶといわれる雄竹や雌竹。それらの実を混ぜた世にも稀有な変わりそばだ。「鯛麺切」や「魚麺切」も珍しい。銚子からの鮮魚が入りやすいという地の利を活かしたのであろうか、鯛や魚のしんじょを混ぜた変わり麺を作っていたらしい。 八代目店主の篠塚友孝氏もこの秘伝書を見て、いろいろチャレンジしてみたことがあるという。その結果、やはり美味しいのは「柚子切」「茶切」なのだとか。また、秘伝書に記述されている「黒切」は、平成時代の同店でも人気のメニュー。昆布の香りが絶妙な風味の変わりそばだ。
佐原は、五五歳を過ぎてから日本初の実測地図「大日本沿海輿地全図」を完成した地理学者・伊能忠敬の育った町としても有名だ。この秘伝書が書かれた時代は、伊能忠敬の生存していた時代と同時代。先達たちの創作麺へのチャレンジ精神も、伊能忠敬のパワーに匹敵するくらいのものだったに違いない。



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