第38回

巨大都市福岡の市長は蕎麦屋の息子 兄が赤裸々に語る泣き笑いの60年。

にっぽん蕎麦紀行 写真・文/旅行作家 富永政美

歯医者さんから聞いた耳より情報

「全国、蕎麦を食べ歩いてるんですってね?」
と、聞いたのは掛かりつけの歯医者さんである。
「あゝ、うゝ」口を空いたまま、私はうなづいた。
「じゃ、知ってますか? 私の故郷、福岡の市長は蕎麦屋の息子なんですよ」
「うッ、ほれ、フンと?」
私は寝椅子から身を起こした。
「博多の『加辺屋』(かべや)という出雲そばの店です。『博多座』という、今、評判の劇場がありましてね、その並びなんです。その蕎麦屋のアルジが市長の兄貴。市長も蕎麦打ちがうまいそうですよ」
これはおもしろい。104番で『加辺屋』の番号を聞き、早速、電話をすると、主人が出た。
「エ、『そばの散歩道』? もちろん見てますよ。ウチも日麺連の会員ですから。それにウチの話を載せる?結構ですな、お待ちしてますよ」
「そのとき、市長さんの写真を1枚、頂きたいんですが」
と、私はお願いした。


“福岡駅”がない“福岡市”

福岡県の県庁所在地、福岡市は人口132万。九州最大の都会である。だが…、その福岡市には「福岡」という駅がない。
明治22年(1889)、城下町の福岡と、港町の博多が、一つの市となったとき、市の名をどちらにするかで大いに揉めた。
だが、ちょうどその年、九州鉄道(現在の鹿児島本線)が開通。駅の名前は「博多」…、市の名前は「福岡」で丸く収まった歴史があるからだ。

「福岡」の中心街は、博多駅から地下鉄(福岡市営)で4つ目の「天神」である。
そこには西日本鉄道(西鉄)のターミナル駅があり、正式な駅名は「西鉄福岡」だが、西鉄の車内放送では「福岡天神」と呼んでいた。

博多駅前(博多口)

博多駅前(博多口)
西鉄福岡(福岡天神)駅のホーム

西鉄福岡(福岡天神)駅のホーム


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