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南蛮(なんばん)
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麺類店で「南蛮」といえば、江戸時代から葱など辛味野菜のことである。これはインドシナを中心とする南海諸国を意味する「南蛮」という言葉からきており、室町末期から江戸時代にかけて、タイやジャワなど諸国を巡って渡米する人や物を広く「南蛮」と称したことに由来する。つまり、葱、唐辛子、カボチャなどを「南蛮」と称するのは、これらの野菜類が外国から渡米したことを意味する。江戸時代には、主としてポルトガル人やイスパニア人を「南蛮人」と呼んだが、一説にはこうした渡米人たちが異国での病気予防のためもあって、辛い野菜を好んで食べたのでこう呼ばれるようになったともいう。

文献の中に「南蛮」の文字が登場するのは、文化八年(一八一一年)に刊行された「四十八癖」なる滑稽本の初編に「鴨南蛮の二つも喰って」という記述がある。また、文政一三年(一八三〇年)に発行された「嬉遊笑覧」という書物の中にも「又葱を入るゝを南蛮と云ひ、鴨を加へてかもなんばんと呼ぶ」とあり、その発祥に関しても「馬喰町橋づめの笹屋(治兵衛)など始めなり」とあることから、江戸時代の後期にはかなりポピュラーだったようである。

ところで大阪などでは、昔から葱のことを「なんば」と呼ぶ習慣があるが、これは「なんばん」という言葉から転化して呼ばれたという説と、江戸のころには、大阪の「難波」が葱の産地だったのでその名残りでそう呼ばれるという説の二通りがある。

●参考文献『蕎麦辞典』『そば・うどん百味百題』
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