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年越しそば
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「年越しそば」のことを別名「みそかそば」、「つごもりそば」、「大年そば」などとも呼ぶが、大晦日の夜にいわゆる「運そば」をたべるという風習は、そばにまつわる食習の中でもポピュラーなものである。

「年越しそば」の起源については諸説があるようだが、江戸中期のころには、商家を中心にして毎月末にそばを食べる風習があり、これが大晦日に食べる年越しそばにつながったという説がある。そばは細く長くのびるということから、家運や身代、寿命などが永くのびるように縁起をかつぎ、地方によってはこれを「寿命そば」や「のびそば」と呼んだ。

また、そばが切れやすいことから、旧年の苦労や借財などを切り捨てる意味で「年切りそば」、「借銭切りそば」を食べる風習があったという説や、金銀細工師が金箔を打つときにそば粉を用いると金箔の裂け目が防げ、金銀の粉を寄せ集めるときにもそば粉を使ったことから、そばで金を集めるという縁起で食べたという説もある。

文献によると、そば膳で正月を祝うという「そば嘉列」の風習も昔からあった。例えば文化一三年(一八一六年)の修験者の日記の記述に「甲州積翠寺村(甲府市)の辺は元朝七つ時(元日の午前四時頃)にそば切りを儀式に食し」たことが書かれており、続いて「親類近所より年札(年賀)の者へも蕎麦切りを出し、後に雑煮出る」とあり、正月四日まで方々で同じようにそばが振舞われたという。

●参考文献『手づくりのそば・うどん』『蕎麦辞典』
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